ダイレクトマーケティングと聞いても、新しいマーケティング手法でもないし、今さら学ぶこともないな・・・そんなことを考えていませんか?
確かに、ダイレクトマーケティングは古い歴史を持つマーケティング手法ですが、それだけに、今もなお名前を聞くこと自体すごいことです。
なぜ、今でも多くの人に支持されるのか?・・・その理由は、ダイレクトマーケティングが時代の変遷とともに進化を遂げているからです。
前回も、ダイレクトマーケティングの進化を紐解きましたが、今回は最前線の現場で起こっている「アナログとデジタルの融合」に迫ってみたいと思います。
それでは、まずは・・・ん?ダイレクトマーケティングの限界?
1. ダイレクトマーケティングの限界?
ダイレクトマーケティングは、今から50年以上前にレスター・ワンダーマンよって提唱されました。
レスター・ワンダーマン
ダイレクトマーケティングは、マスマーケティングのように予算をたくさん使って多くの人にリーチするという考えではなく、個々の顧客からレスポンス(反応)を得て、そのレスポンスに合わせてプロモーションを展開していくという考えが特徴的です。
当時は当然ながらインターネットなどありませんから、主にダイレクトメールやカタログ、商品サンプルなどを送って顧客とコミュニケーションをとっていました。
しかし、テクノロジーの革新により、ダイレクトマーケティングは進化しました。
ワンクリックで大量のメール配信が可能になり、時間もお金もかけずに多くの顧客にアプローチすることができるようになました。
ダイレクトマーケティングは画期的な進化を遂げたのです。
そのあたりの話は、アドエビスマーケラボでも以下のコンテンツでまとめました。
「進化するダイレクトマーケティング?6つのTIPSから変遷を読み解く」
しかし、現代においては多くの企業がメールマーケティングの良さに気づき、(顧客にしてみれば)様々な企業から毎日のようにメールが届くという状況に陥っています。
皆さんもご存じのように、すべてのメールが開かれることはありません。
つまり、企業にしてみれば顧客のメール開封率には上限があり、メールマーケティングさえ有効な手段とは言えないケースもあるのです。
これは、ダイレクトマーケティングの一つの限界だと言っても良いかもしれません。
しかし、メールマーケティングだけに注力するのではなく、データを活用しつつダイレクトメールを使うことで、新たなダイレクトマーケティングの形が出てきています。
2. アナログとデジタルの融合?
過去においては、ダイレクトメールでABテストを行うケースはあったものの、人の手でデータを集めることしかできませんでした。つまり、アナログです。
しかし、現代においてはメールマーケティングの開封率・メール本文からのクリック率といったデータをテクノロジーの力で取得し、集約して管理することができます。
そして、集約したデータを活用してダイレクトメールを送ることができるのです。
具体的にお話すると、すべての顧客データを分析して、メールマーケティングの効果が無い、あるいは小さい顧客を抽出します。
その顧客とは、開封率が低い顧客(そもそもメールを読んでいない)や、過去メールを開いてくれたのに、ある時から開封しなくなった顧客など、条件を指定することで抽出できます。
この抽出した顧客は、何らかの理由でメールでのアプローチを拒んでいます。しかし、ダイレクトメールのような”モノとしての実体”を介したアナログなコミュニケーションは、もしかしたら有効かもしれないのです。
このように、データを活用することで、メールに反応しない顧客に対して別のアプローチをとることができます。
まさに「アナログとデジタルの融合」と言えるのではないでしょうか?
3. アナログな手法にも目を向けよう
実は「アナログとデジタルの融合」はダイレクトマーケティングだけではなく、様々な場面で見られます。
マーケティングオートメーションの登場で、顧客のレスポンスはメールマーケティングやダイレクトメールだけではなく、広くマーケティング施策で得たデータを一元管理できるようになりました。
ただ、取得できるデータは、主に定量的なデータです。
しかし、定量的なデータだけではわからないこともあります。
そこで必要になるのは、定性的なデータ・・・例えば顧客からの声です。
定量的なデータに多く接するデジタルマーケターにとっては、顧客の声のような定性的なデータは、喉から手が出るほど欲しいものではありませんか?
アナログとデジタルの両面でマーケティング戦略を練ることで、顧客の本当の姿に一歩近づくことができ、それまで以上に広がりのある施策を打つことができるのではないでしょうか?
今回は、以上です。
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