出典:eMarketer「US Spending on Paid Media Expected to Climb 5.1% in 2016」
こちらは、米国における、媒体ごとの広告シェアです。円グラフでは、2015年と2020年の予想が比較されていますが、米リサーチ会社eMarketerは、米国において2017年、つまり今年中にWeb広告(Digital)がテレビ広告(TV)を抜き去るとの推察を発表しています。
こうしてオフラインマーケティングからデジタルマーケティング(オンラインマーケティング)へと時代が変遷していく中で、マーケターに求められる資質も、徐々に変化しはじめています。
今回は、「2017年、これからのマーケターに求められる3つのこと」と題して、どのような知識、分析手法、考え方などがマーケターに求められていくのかについて、解説していきます。
1. 複雑化するカスタマージャーニーを論理的に考える
デジタルマーケティングは、顧客のアクションを数値化できる点が、オフラインマーケティングとの違いです。
たとえば、テレビCMや紙媒体での広告が、オフラインマーケティングの典型的な例ですが、そこではどのくらいの数の顧客が、CMや広告を見てくれたのか、購買につながったのかを数値化することは、簡単なことではありません。
もちろん、短期的にCMなどを放送すると、商品やサービスの検索数や購入数は伸びますが、そのうちどれだけのPVやUUが、広告出稿による効果なのかを正確無比に測ることは、非常に難しいと言えるでしょう。
その点、オンラインマーケティングでは、先のような成果(コンバージョン)が、どの広告によって得られたものなのかを、すべて数値化して把握することができます。
動画広告やオウンドメディア、記事広告、リターゲティング広告、ランディングページ・・・など、顧客がコンバージョンにいたるまでにとる行動経路、つまり「カスタマージャーニー」は複雑化する一方です。
2017年は、こうした状況が継続すると予想されますから、マーケターはそうしたカスタマージャーニーを論理的に理解し、どうして顧客がこういう行動をとったのか、今自身らに求められている事業内容はどんなものかなどを理解しながら、PDCAを回していく必要があります。
2. 右脳と左脳のフル活用
先の章でご紹介した通り、論理的思考は重要です。
しかし、現実世界で何が起こっているかを受け止めながら、クリエイティブに考え、顧客が求める一歩先のモノを作り上げる力も、マーケターの資質として重要な要素となってきます。
出典:ほぼ日刊イトイ新聞
たとえば、糸井重里氏が主宰するWebサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」の例を見ながら、考えていきましょう。
多くの企業はオウンドメディアを運用していますが、その中で重要なことの一つは、Googleの検索エンジンに最適化することです。
Googleの検索エンジンは、過去の実績、つまり記事の蓄積も重要な要素としてとらえていますが、「ほぼ日刊イトイ新聞」では、今日と昨日のコンテンツ以外は削除されています。
これにより、ユーザーはほぼ毎日見に来なければ貴重な情報を見ることができないという感覚になり、その結果も影響してか、PV数などが必然的に伸びていくのです。
これはなかなか真似のできるやり方ではありませんが、クリエイティブな発想から生まれたマーケティング方法だと言うことができるでしょう。
これからのマーケターは左脳だけではなく、右脳もフル活用することが求められるシーンが多くなるはずです。
3. デジタルマーケティング・テクノロジーの理解
最近では、時勢にあわせて、デジタルマーケティングにおける、様々な効果測定ツールが登場しています。
私たちも、カスタマージャーニーの複雑化にあわせて最適な広告手法を運用するためのツールとして、AD EBiS(アドエビス)をリリースしていますが、いずれのツールでも重要なのは、単に効果測定ツールを使うのではなく、得られた数字の意味を理解し、次のアクションを導くことです。
例えば、カスタマージャーニー分析の場合、最適なユーザーフローがどのようなものかを検証するために、動画広告や記事広告など、タッチポイントごとのABテストを行い、コンバージョン率を測定するほか、希望したターゲット層に広告がリーチしたかどうか、ユーザー属性で媒体を検証します。
こうしたツールによって得られた数字の1つ1つを理解し、画面の向こう側にいる顧客と対話しながら、最適な広告手法などを探っていく必要があります。
2017年は、モノがインターネットに接続する「IoT」がますます盛んになり、取得できるデジタルデータも増加していくでしょう。
こうした時代潮流の中では、上記したような知識、分析手法、考え方などがマーケターに求められるようになっていくでしょう。
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