最近、ブランドリフトという言葉を聞くことがありませんか?
数年前であれば、多くの企業がCPAを指標の中心に据えて、直接コンバージョンの数がどれだけ増えたかを成果と捉えるケースは多かったように思います。
しかし、顧客のカスタマージャーニーをしっかりと分析して、直接コンバージョン以外の影響を考えると、デジタルマーケティング施策の成果は本来、幅広く捉えても良いはずです。
顧客が価値を感じるものは、「モノからコトに変化している」と言われて久しい昨今ですが、顧客がブランドをどう捉えて、ブランディングでどのような成果が上げられるのかは、顧客の体験に密接に関わってきます。
今回は、ブランドリフトについて解説しつつ、顧客がブランドを体験するという視点で、DMM社とチームラボ社の事例を考察してみたいと思います。
1. ブランドリフト調査って何?
それでは、まずブランドリフト調査について見ていきましょう。
ブランドリフト調査とは、ユーザーがデジタルマーケティング施策(主にWEB広告)に接触したことで、ブランドに対して印象が良くなる、(そのブランドの商品を)購入したいと思う、企業の認知度が向上するといったことが、起こったのかを調べる調査のことです。
ブランドリフト調査が可能なツールは様々ありますが、Googleが提供する「Google広告ブランド効果測定」は有名です。
「Google広告ブランド効果測定」は、YouTube、Googleディスプレイ広告でブランドリフト調査をすることができ、以下のような指標がどのように変化したかがわかります。
広告想起率
ブランド認知度
比較検討の対象として含めたか
ブランド好意度
購入意向
検索上昇率(Google検索とYouTube検索で特定のキーワード検索がどれぐらい増えたか、キーワードは事前に指定する)
出典:Web担当者Forum「Google広告のブランド効果測定サービスは、「さすがグーグル」というスゴい仕組みだった(しかも無料)」
こうした指標の変化を見ることで、動画広告・ディスプレイ広告でどのような成果が上がったのかを、多角的な視点で見ることができるようになります。
2. ブランドリフト調査をする意味
ここまでで、ブランドリフト調査を何となくイメージしていただけたかと思いますが、では、いったい何のためにブランドリフト調査をするのでしょうか?
冒頭でも触れましたが、今までは多くの企業が、直接CVだけを見て、CPAでデジタルマーケティング施策の良し悪しを計測していました。
ただ、実際のカスタマージャーニーはより複雑で、直接CVに至るまでに、顧客と施策間には様々なタッチポイントがあり、本来は見逃せない多くの影響があります。
こうした影響の一部を、ブランドリフト調査で明らかにすることに意味があるのです。
例えば、今まで「施策ごと」に判断していた広告効果を、動画広告はブランディング効果があり、動画広告後に見るディスプレイ広告はCVRが高いといったように、施策を横断して見ることも大事です。
実はアドエビスでも「施策から人へ」というコンセプトで、カスタマージャーニー分析というサービスをご提供しています。よかったら、ぜひ詳しくご覧くださいませ。
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3. 顧客がブランドを体験する?
DMM.プラネッツArt by teamLabは、デジタルアートを体験する巨大な迷路です。DMM社がスポンサーになり、チームラボ社が空間を創り上げました。
この空間をTVCMで知った人や、実際に行った人はどのような体験をしたのでしょうか?
今のテクノロジーではその体験を詳しく指標化することはできませんが、DMM社・チームラボ社にとってのブランディング効果は計り知れないものがあったはずです。
従来のデジタルマーケティング施策、そして効果測定方法では、こうした顧客のブランド体験はそこまで重要視されていませんでした。
しかし、今後はデジタルマーケティング施策も、動画を始めとするビジュアルコンテンツが発展したり、リアルな場所での体験との融合も進んでいったりする中で、いっそう顧客のブランド体験は重要視されていくと予想されます。
ただコンバージョンを生むだけではなく、ただブランドの存在を認知されるのではなく、顧客がそのブランドを通じて、どのような体験をしたのか?といった点は、マーケターである私たちが考えていかなくてはならないのかもしれません。
まとめ
今回は、ブランドリフト調査の解説と、顧客のブランド価値について考えてみました。
実際のところ、現場では当然CPAベースでも成果を上げることが求められます。しかし一方で、デジタルマーケティングは常に進化を遂げています。
顧客のブランド体験までを想像して、施策に落とし込むことができたら、クリエイティビティ溢れる新たな取り組みが生まれるかもしれません。
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