マーケターの皆さんは、Web広告出稿やメールマーケティングをする際に「セグメンテーション」あるいは「セグメント」といった言葉を聞きますよね?
しかし、いざセグメンテーションの例を挙げるとなると、性別・年齢といった基本的なセグメンテーション以外に、あまり多くは思い浮かばないかもしれません。
STP分析でご紹介の際にも簡単にセグメンテーションをご紹介しました。以下の3つを覚えていますか?
- Segmentation(細分化)
- targeting(標的化)
- positioning(ポジショニング)
今回はこのセグメンテーション(Segmentation)の理解を深めるため、8つの例を挙げながら解説していきたいと思います。
1. セグメンテーションとは?
まず、セグメンテーション(Segmentation)とは何を指す言葉でしょうか?
セグメンテーションの説明として、わかりやすい以下の引用文を参考にしましょう。
セグメンテーションとは、マーケティング環境分析の結果を踏まえて、不特定多数の人々を同じニーズや性質を持つ固まり(セグメント)に分けること。
出典元:グロービス・マネジメント・スクール「セグメンテーション」
補足すると、マーケティング戦略を考える上で、ただ「同じニーズや性質を持つ固まり」に分けても仕方がありあません。
自社の強みを明確にできるように、戦略的にセグメンテーションをかけられれば、競合他社との差別化もより簡単に行うことができるでしょう。
2. セグメンテーション8つの例
それでは、セグメンテーションの8つの例を見ていきましょう。
よく使われる簡単な例から、日本ではあまり馴染みがない海外でよく使われる例まで、様々な例を集めてみました。
2-1. デモグラフィック情報によるセグメンテーション
まずは、お馴染みのデモグラフィック情報によるセグメンテーションです。
よく「デモグラ情報」や、単に「デモグラ」と略して使うこともありますよね。
デモグラフィックは、直訳すると人口動態統計学上の属性を指します。具体的には、以下のようなものが当てはまります。
性別 / 年齢 / 収入 / 世帯規模所得 / 職業 / 学歴…
デモグラフィック情報の中でも、性別・年齢は特にWeb広告・メールマーケティングで頻繁に使用されますね。
2-2. ジオグラフィック情報によるセグメンテーション
続いては、ジオクラフィック情報によるセグメンテーションです。
ジオグラフィック情報とは地理的な基準からくる情報のことで、具体的な例には以下のようなものがあります。
気候 / 人口密度 / 住居所在地 / 勤務地 …
たとえばWeb広告の中でも、Yahoo!のTOP面に出るバナー広告など、インプレッションが高い広告だとジオグラフィック情報でもセグメンテーションをかけることがあります。
またインフォマーシャルでは、地域によって出稿額が変わることがあるので、ジオグラフィック情報は重要になってきます。
2-3. サイコグラフィック情報によるセグメンテーション
続いては、サイコグラフィック情報によるセグメンテーションです。
サイコグラフィックとは、顧客の心理的な特性のことを指します。
基本的には顧客アンケートから変数を抽出して、顧客の嗜好性・好み・価値観・興味関心といった内面を捉えてセグメンテーションをかけます。
年齢・性別といったわかりやすい情報に比べて、抽象的な情報なので、セグメントをかける側(つまり私たちマーケター)の観察力が大いに問われると言えます。
2-4. ビヘイビアル情報によるセグメンテーション
次は、ビヘイビアル情報によるセグメンテーションを見ていきましょう。
behaviorを直訳すると以下の通りです。
〔人の〕行動(様式[パターン])、態度、挙動、振る舞い
出典元:behaviorの意味・用例|英辞郎 on the WEB:アルク
上記の通り、ビヘイビアル情報は「人の行動(パターン)を変数化した情報」です。つまり、ビヘイビアル情報によるセグメンテーションは、顧客の過去の行動が元になっています。
過去の行動から未来を予測するといった意味では、サイコグラフィック情報によるセグメンテーションと比較すると、確度が高いセグメンテーションだと言えるでしょう。
2-5. ライフスタイル情報によるセグメンテーション
次は、ライフスタイル情報によるセグメンテーションです。
ライフスタイル情報とは趣味や休暇の過ごし方、仕事以外のアクティビティなどに関するもので、「アウトドアが好きで山によく行く」「土曜の朝は近所のカフェでコーヒーを飲む」「月に一度はボランティア活動をする」といったものが例として挙げられます。
たとえば、理想のライフスタイルを世界観として持つコンセプトショップや雑誌などは、ライフスタイルによるセグメンテーションが有用でしょう。
2-6. 宗教・価値観によるセグメンテーション
続いては、 宗教・価値観によるセグメンテーションです。
海外において、顧客の宗教上の考えや行動の違いはマーケティングに大きな影響を与えます。また宗教や政治的な価値観の違いは、顧客の購買行動そのものを変える場合があるので、それぞれの顧客グループに異なるアプローチをする必要があります。
たとえばイスラム教徒でセグメンテーションをかけてアプローチするなら、ハラール認証を取得する必要があるかもしれませんし、利子をとって金銭を貸すことが禁止されているなど、イスラム教について理解する必要があります。
2-7. ライフステージ情報によるセグメンテーション
続いては、ライフステージ情報によるセグメンテーションです。
年齢によるセグメンテーションはデモグラフィック情報の際に触れました。しかし近年ではライフスタイルの多様化が進み、同じ年代でも異なる購買行動をとると考えると、年齢だけのセグメンテーションは不十分だと言えます。
ライフステージによるセグメンテーションの例を挙げると、就学中・就職前・転職中・新婚・定年退職後など、様々なものがあります。年齢だけでは見えてこない顧客像も、ライフステージによるセグメンテーションだと見えてくることがあります。
2-8. 顧客単価・購入頻度によるセグメンテーション
最後は、顧客単価・購入頻度によるセグメンテーションです。
CRMの一環で既存顧客にメールマーケティングを行う時、より反応率がよく売上に繋がる顧客を抽出する際に使うことがあります。
ただ、CRMは金づる探しではありません。アドエビスマーケラボでは、以下のようにお伝えしています。
売上や利益を最優先するのではなく、あなたが友人に接するように、顧客の考えや感情を知って親しくなっていきましょう。
CRMについて、詳しくはこちらをご覧ください。
参考:「CRMは金づる探しじゃない!友人のように接するOne2Oneの本質」
今回のまとめ
今回ご紹介したセグメンテーションの例は、あくまで他社の事例です。
まずは8つの例を参考に、複数のセグメンテーションを組み合わせて、自社に合わせたセグメンテーションを見つけてみてください。
ARCC限定イベントへのご招待・限定コンテンツの配信・
新着記事の案内・イベント情報の先行配信など、特典が満載です。