マーケターであれば、エンゲージメントという言葉を耳にしたことはありますよね?
特に、企業がマーケティングを考える際、インターネットやSNSを導入する機会が増えてから、その注目度は増しています。
ただ、エンゲージメントという言葉の意味は、マーケティングのみならず、組織管理や広告など、他の分野でも用いられることがあり、ややこしく小難しい印象があるため、その真意はあまり知られていないというのが実状です。
今回は、マーケティングにおけるエンゲージメント、および非マーケティングにおけるエンゲージメントについて、それぞれ確認し、今後企業に求められるマーケティング戦略を考えていきましょう。
1. エンゲージメントの意味とは?
まずはエンゲージメントの意味をおさえましょう。
企業を取り巻く経営環境の変化とともに、顧客との関係構築が命題となったことから、エンゲージメントと言う言葉は、マーケティングにおける注目度が徐々に高まっていきました。
ただ、元々はマーケティング用語ではありませんでした。
1-1. 非マーケティングにおけるエンゲージメントの意味
「エンゲージメントリング」はご存じの通り、婚約指輪を指します。ここから想像できるように、エンゲージメントとは(相手に対する)忠誠や約束、絆、献身といった意味を含みます。
また経営におけるエンゲージメントは、従業員の忠誠や献身を意味します。従業員の満足度低下や離職率増加はシビアな経営課題なので、従業員のエンゲージメントを高めることで対処する必要があります。
他に、Web広告においてもGoogleがマウスオンをすることで拡張する「エンゲージメント広告」という枠を提供していますが、こちらは顧客が広告主に対する絆を感じた際に、より深く知りたいというニーズを満たすものになっています。
1-2. マーケティングにおけるエンゲージメントの意味
マーケティング領域において、エンゲージメントはブランドとユーザーの親密さ、結びつき、絆や共感といったつながりを指します。
非マーケティングにおける意味合いから派生した用語なので、おおむね言葉の持つ根本的な意味は同じですが、売り手と買い手の関係を指す点に特徴があります。
海外では以下の通り、エクスペリエンタルマーケティングやイベントマーケティング、オングラウンドマーケティング、ライブマーケティング、パーティシペーションマーケティングといった、様々な呼び方も存在します。
Engagement marketing, sometimes called “experiential marketing,” “event marketing,” “on-ground marketing,” “live marketing,” or “participation marketing,” is a marketing strategy that directly engages consumers and invites and encourages them to participate in the evolution of a brand.
出典:
Wikipedia ーEngagement marketing
2. なぜ今、企業はエンゲージメントを重視するのか?
では、なぜ今エンゲージメントが重視されるのでしょうか?その背景に迫ってみたいと思います。
マーケティング領域において、エンゲージメントが注目され始めた背景にはインターネットの登場があります。
インターネットの登場以前は、紙媒体(雑誌・DM・チラシetc. )を作成することが、誰にでもできる顧客へのアプローチでした。こうしたアプローチ手法は企業からの一方的な情報提供であり、顧客側からのコミュニケーションは現代ほど盛んではありませんでした。
しかしインターネットが登場し、スマートフォンといったメディアデバイスおよびSNSが普及するとともに、即時的に起こる双方向のコミュニケーションが生まれました。
そこで、出てきたのが顧客エンゲージメントの向上という考え方です。企業は真に顧客に求められる存在となるため、一歩引いたところから顧客に接し、対話をしながら最適解を目指すようになりました。
3. デジタルマーケティングの未来とエンゲージメント
では、これからのデジタルマーケティングにおいて、エンゲージメントはどのように変化していくのでしょうか?
着目したいのは、デジタルマーケティングはよりパーソナライズ化が進むことが予想される点です。このことは、企業が個々の顧客に合わせたマーケティング戦略を設計することで、より強いエンゲージメントを作れる可能性が高まることを意味しています。
また、ブランドがSNSなどのデジタルプラットフォームを通じて、顧客のエンゲージメントを高められるかどうかは、デジタルマーケティングを成功に導くために、ますます必要な要素となっていくことは間違いありません。
「エンゲージメントが未来のデジタルマーケティングの鍵を握る。」そう言っても過言ではないでしょう。
参考:
ARF「Brand Engagement on Digital Platforms」
今回のまとめ
インターネットの普及からはじまった情報革命は、企業のマーケティング環境にも、多大な影響を与えました。
企業が今後、競争に勝ち抜いていくためには、WebやSNSなどを活用した、自社製品やサービス、ブランドのファン形成・顧客エンゲージメントの向上が不可欠になっています。
デジタルマーケティングの今後を考えれば、顧客の奪い合いは、より一層熾烈になっていくことが予想されます。もちろん直接的な売上や利益も重要ですが、そこにばかり目を向けるのではなく、来るべき未来に向けて、PDCAを回しながら、顧客と良好な関係を構築することが必要なのではないでしょうか?
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